坐薬も軟膏も成分は変わりません。若干の量の違いがある場合があります。
成分は主にステロイドを含むものと含まないものに分かれます。ステロイドを含むものは消炎効果は高いのですが、長期使用に際しては、真菌(かび、タムシ)感染に注意が必要です。肛門に使用している限りは、その他のステロイド外用剤にみられる副作用(皮膚萎縮、発赤、ざそう(毛嚢炎)は、比較的少ないようです。しかしながら、数ヶ月もステロイド含有剤を使用することは避けたほうが良いと思われます。また、かゆみに対して肛門以外に広範に塗ると陰部は外用剤の吸収の非常に良いところですからステロイドの副作用が強く出ることが予想されます。
ステロイドの有効量は+で表している通りで、一般の市販薬ABDも医家向け処方薬の@もほぼ同等の含有量です。ステロイドの強さとしては一番弱いクラスに入りますが連用は注意が必要です。短期間の効果をねらうにはステロイド含有剤を、安心して連用するにはステロイド剤無しのものを選ばれた方が良いでしょう。
局所麻酔薬が配合されている薬が非常に多いのですが、局所麻酔薬は接触性皮膚炎(かぶれ)を比較的高率に起こす薬です。皮膚炎の症状が出たら使用を中止して下さい。
処方薬 | 処方箋代、調剤代が別途掛かります。 | ||||
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薬品名 |
作用機序 |
ステロイド含有 |
写真 |
価格(1回分) |
3割負担額 |
@強力ポステリザン軟膏、ポステリザンF坐薬 | 大腸菌死菌浮遊液(皮膚粘膜の抵抗力を上げ、創傷治癒を早める),ヒドロコルチゾン(ステロイド)による消炎作用。 | + |
¥60 |
¥18 |
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Aネリプロクト 軟膏、坐薬 |
ステロイドと 局所麻酔薬による消炎と鎮痛作用。 | +++++++ |
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¥49 |
¥15 |
Bプロクトセディル軟膏、坐薬 | ステロイド、局所麻酔薬、抗生剤、止血剤の合剤です。 | ++ |
¥30 |
¥9 |
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CボラザG 軟膏、坐薬 |
トリベノシドと局所麻酔薬による消炎、鎮痛作用。ステロイドは含みません。 | − |
¥43 |
¥13 |
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DヘルミチンS | 局所麻酔薬と止血剤による疼痛、出血の改善効果。止血剤ビスマスは連用により神経障害の副作用。 | − |
¥22 |
¥7 |