1)ステロイド
副腎皮質という臓器から産生されるホルモンを合成したもので、薬効的には消炎鎮痛剤に分類されています。消炎(炎症を抑える)作用、免疫抑制作用がアレルギーに対し用いられます。様々な組織の細胞にレセプターを持ちその効果発現部位は多岐にわたります。従って標的臓器以外に出る効果は副作用とということになり全身投与(内服、注射等)、局所投与(外用剤、吸入剤等)でも大量、長期にわたる使用の際は注意が必要です。作用の発現は免疫、炎症に関わるサイトカインの遺伝子発現を負に制御する事で行われるとされています。主な副作用は副腎不全(元々働いている副腎がホルモン過剰状態に反応し抑制され、通常のホルモン産生が行われないこと)、糖尿病,消化器潰瘍,骨粗鬆症,無菌性骨壊死,易感染性(感染症の誘発),中枢神経障害,高血圧,白内障,緑内障、多毛,ざ瘡,満月様顔貌,皮下溢血,紫斑などがあります。臨床的効果は一般的に高いのですが、前記の副作用があるためその使用には習熟した医師の指導が必要です。副作用をおそれるあまりに忌避を続け、病を難治化させていくことは避けなければなりませんが、また安易な使用も戒められるべきものです。
2)免疫抑制剤
プリン合成を阻害しリンパ球の増殖を抑制したり、サイトカインの転写制御によりその増殖を抑制します。臓器移植に際し移植片拒絶反応を抑えるのに必要不可欠な薬剤で、保険適応を待っている開発済みの薬剤も多くあります。自己免疫性疾患をはじめ適応は多くの疾患に広がってきています。副作用は易感染性、腎障害、間質性肺炎等があります。
3)抗アレルギー剤
@第1世代抗ヒスタミン剤
ヒスタミンH1受容体に拮抗することで,マスト細胞より遊離されたヒスタミンによって惹起されるアレルギー症状を軽減させます.眠気や全身倦怠感、抗コリン作用(口渇,頻脈,尿閉,腸管麻痺)などの副作用があります。次の第2世代抗ヒスタミン剤より効果も副作用も強い傾向があります。
A第2世代抗ヒスタミン剤
塩基性抗ヒスタミン剤で眠気や抗コリン作用が抑えられているのが特徴です。後述するケミカルメディエーターの遊離抑制剤とともに、単に抗アレルギー剤といわれることもあります。眠気に対する反応は人それぞれですが第1世代よりは少ない、程度に考えた方が無難でしょう。
4)漢方薬