水疱瘡(みずぼうそう)のウイルス(VZVというヘルペスウイルスの一種)が 神経の根本に持続潜伏感染し、そのウイルスに対する特異的免疫が低下した際に、ウイルスが再活性化して、片側の神経痛を伴う水疱を発症するといわれています。この水疱内容にはウイルスが存在し、感染することもあるそうです(当然、一般環境ではかなり低率のことと思われます)。 なぜ、ウイルスに対する抗体を持ちながら、何十年も経ってから一つの末梢神経領域にあらわれるのか、しかも片側なのか(水疱瘡は全身、特に体幹に強く出る傾向があります。両側の神経領域だと右と左の2本の神経領域ということになります)。単純疱疹は、同じヘルペスウイルスの一種ですが、風邪をひいて体力が落ちたときに出るなど、免疫力の低下を自覚する時に発症することが多い感があります。帯状疱疹はあまりそういう傾向は見られず、非常に謎の多い病気です。 しかしながら、5日以内に内服薬(アメナリーフ、ゾビラックス、バルトレックス、ファムビル等)を飲めれば比較的早く治ります。内服、外用薬を使わなくてもほぼ4週間で自然治癒が見込め、痕もほとんど残らない病気です。ひどい場合には入院して点滴(ゾビラックス、アラセナA)となることもあります。 一番の問題点は、神経痛の持続です。通常は痛みが出てから発疹が出ますが、中には発疹が治まってきてから痛みが増悪することもあるので注意が必要です。 疼痛に対しては神経痛治療薬(プレガバリンや通常の鎮痛剤)が使用されます。 逆に原因がはっきりしない腰痛、坐骨神経痛、肋間神経痛の半分以上はこのウイルスが原因だという説もあります。 皮膚科で扱う病気ですが、内科、麻酔科、整形外科的な要素が強い特徴があります。 水疱瘡のワクチンがルーチン化しているアメリカでは、麻疹と共に水疱瘡は輸入感染症といわれているそうです。この水痘(水疱瘡)ワクチンが、帯状疱疹の発症抑制に有効である事が判明しています。コロナ禍で帯状疱疹が増加したこともあり、帯状疱疹ワクチンが65歳以上で定期接種化されました。市区町村により補助金の額が違いますが、不活化ワクチン(シングリックス)、生ワクチン(ゾスタバックス)から選択します。
